ひまわり「数馬ちゃん、数馬ちゃん」
……………………………………はっ。
ひまわり「数馬ちゃん。こんなところで寝ていると、風邪ひくよ?」
数馬「あ、うん。ちょっと食休みしてたら、うとうとしちゃったよ」
 
 
ひまわり「数馬ちゃん、ここのところ、ガンバってるもんね」
数馬「まあね。やっぱり、せっかく置いてもらっているんだから、役に立ちたいし」
数馬「身体動かしていた方が結構性に合ってるかな、なんてね」
ひまわり「小町ちゃんと同じようなこと言ってるね」
数馬「小町ちゃんと? ふ〜ん」
あの娘も、けっこう頭や口より先に、身体が動くタイプだもんな。こんなこと、本人の前では怖くて言えないけど。
ひまわり「お疲れ様で〜す。でも寝るんなら、自分の部屋で寝た方がいいよ?」
数馬「そうだね。そうするよ」
ひまわりちゃんもいい娘だよな。人見知りも物怖じもしないし、そういった点ではむつみさんと正反対だけど。
苦手なのは……小町ちゃんだよな。うん。なんつーか、風当たりがキツいというか、なんというか。
いつかは優しくしてくれるんだろうか。
……あ。
お風呂入ってなかったな。風呂入ってから寝よ。
もう誰も入ってないだろうから、ぬる〜〜くして、長風呂しちゃおうかな。結構好きなんだよね、ぬるめの長風呂。身体にもいいって言うし。
 
 
数馬「あ…………………」
小町「………………………」
小町「………………………………………………」
小町「………………………………………………………………………」
おっきく見開いたお目々に、半開きのまま固まった唇。あ然呆然。
陶器のように白い背中に艶やかな髪、引き締まったお尻がこちらに向けてボンとつきだしてて。
馬のしっぽが風にそよぐ〜♪
………………………………………はっ。ぼ、僕は、無意識のうちに現実逃避を。
数馬「…………お……」
小町「お?」
数馬「お………………………………………………………………………オッパイ…………」
ビシッ!
数馬「い、痛っ! 痛いじゃないか、石けん投げて!」
小町「なに見てるのよっ!」
数馬「おっぱ……」
スコ〜〜〜〜ンッ!
数馬「ご、ごめん、ま、間違った……」
小町「なにが間違ったというのよっ!!?」
数馬「見てたのはきれいなオッパイ……」
ドゲ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッ!
小町「こ、こ、この、ドすけべっ! ヘンタイッ! 覗き魔! 出歯ガメっ!」
数馬「い、い、今なに投げた?」
小町「イスよ! 次はお風呂のフタ投げようか!?」
数馬「いや、遠慮しておきます」
小町「……………………………………で?」
数馬「は? で、と言われますと?」
小町「他に言うことは……?」
数馬「他に……と言うと……?」
小町「他になにか、言うべきことがあるでしょう?」
数馬「え〜〜〜と。かわいいお尻……」
小町「とぅりゃああああ〜〜〜っ!」
目の前に迫るデッキブラシが、僕の気絶する前に見た、最後の物。
むつみ「な、何かあったんですか、小町さん!」
志津香「どうしたんですか、小町さん」
ひまわり「なに〜? どうしたの〜?」
そして、遠くから聞こえてくる女の子たちの声が、僕の気絶する前に聞いた最後の音だった。



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